埼玉県農業大学校の「農産物販売実習」を取材しました。

埼玉県農業大学校で開催されている「農産物販売実習」を取材をさせていただきました!


農業大学校では、学生による「農産物販売実習」が開催されています。
販売実習については、こちらの記事をご覧ください。

場所はこちら。

まず、学校についてのお話を伺いました。

農業大学校について、教えてください!

農業大学校は、今年で創立80周年を迎える歴史ある農業教育機関です。
現在の熊谷市に移転してからは約10年が経ち、優れた農業人材の育成を続けています。
当校の最大の特徴は、「作る」だけでなく「売る」までを学べる実践的な教育プログラムです。

  • 市場や顧客ニーズを理解するための商業の授業
  • 学生が生産した農産物を実際に販売する実習
  • 先進的な農業に取り組んでいる団体への研修

農業大学校には、2つの教育課程があります。目的やバックグラウンドに応じて選ぶことができます。

【2年課程(定員:55名)】

  • 高校卒業後に進学する学生が中心
  • 分野別に深化する専攻プログラム
  • 就農希望者から農業法人への就職希望者まで幅広く対応

【1年課程「短期農業学科」(定員:35名)】

  • 社会人からの入学者が中心
  • 短期間で農業の基礎から実践までを集中して学ぶ
  • 新たなキャリアとして農業を志す方に最適

卒業後の進路は、「自宅就農(家族が農業を経営)」・「就職就農(農業法人や企業での勤務)」・「新規就農」などの道へ進みます。
新規就農希望者にも充実したサポート体制があり、地域で活躍する卒業生も増えているそうです。

農産物販売実習見学

早速、販売実習のようすを見学させていただきました。


学科ごとの出荷品と入荷数の掲示されていました。
日によっては、全品完売してしまうこともあるそうで、大変人気です。
なお、13:10ごろから整理券を配布しています。


パッケージやポップも学生自身が作られているとのことで、実習ではあるものの本格的でした。
新鮮な商品が並んでいて、既に完売のものもありました。

販売実習中の1年課程・2年課程の方に、それぞれお話を伺いました!

実習中にもかかわらず、ご対応ありがとうございました。

【1年課程 短期農業学科の学生(社会人入学)】

  • 背景・入学理由
    もともとIT系の仕事に就いていましたが、「生涯続けるには難しい」と感じ、長く続けられる仕事を探す中で、食や農業の重要性に関心を持ち、入学を決意しました。

  • 授業内容
    座学では、農業に関する基礎知識から学んでいます。
    実習では、作物の育て方・収穫・販売方法などを実践的に学習しています。

  • 栽培と販売の違い
    栽培:品質(味や見た目)へのこだわりが重要。
    販売:販路開拓の必要性と、顧客に魅力を伝える力が求められていると実感しています。
    →販売先は専門家ばかりではないため、こだわりを分かりやすくアピールすることを目指しています。

  • 将来の目標
    昨今、農業の担い手不足と言われていますが、「逆にチャンス」と捉えています。
    卒業後、数年以内に新規就農を目指しており、学校での学びを生かして、自分なりに事業を展開したいと考えています。

【2年課程の学生(高校卒業後に入学)】

  • 背景・入学理由
    普通科高校出身。子どもの頃から野菜作りに興味があり、専門的に学びたくて入学しました。
    周囲には農業高校出身者が多いです。

  • 栽培と販売の違い
    栽培:作物ごとに育てる難しさが違います。特に里芋などは手間がかかります。
    販売:手間をかけて育てたものでも、必ずしも売れるとは限りません。販売実習では、他の専攻と同じ作物を扱うこともあり、その場合は品質を比較されるため、より良いものを作る工夫が求められます。
    →「努力が必ず報われるとは限らない難しさ」を実感しています。

  • 将来の目標
    品種改良などに関心を持っており、種苗会社への就職を目指しています。
    気候変動によって農業の将来に課題を感じています。たとえば枝豆やスイートコーンなどは、栽培環境の変化によって味が大きく左右される作物です。
    また、耐病性や耐暑性を高めるために、10年近い研究開発が必要ですが、その間に気候がさらに変化すれば、せっかく開発した品種が使えなくなるリスクもあります。
    「耐暑性はあるが、おいしくない野菜」ばかりが流通する未来が来るかもしれない。
    そんな危機感から、品種改良を通じて、未来の農業に貢献したいと考えるようになりました。

今後のご活動を応援しております!
その後、実際に販売されている商品を購入させていただきました。


野菜選びのポイントをご説明いただきながら、購入できました。
キャベツは「外葉がしっかり残っているものがおすすめ」だそうです。


お話を伺った方が研究している「オレンジカリフラワー」は、βカロテンが豊富です。
「小ぶりなものがおすすめ」で美味しいそうです。


水田複合学科の方は、手作り味噌を販売していました。

今回購入させていただいた商品はこちらです!
美味しくいただきました。

埼玉県農業大学校では、次年度の学生を募集しています。
オープン見学会などが定期的に開催されていますので、ご興味ある方は公式情報をご確認ください。

販売実習は7月中旬まで開催されています!

最新情報は、埼玉県農業大学校様の公式サイトをご確認ください。

リンク

埼玉県農業大学校

ご担当者様、職員・学生の皆様、ご対応ありがとうございました!